本を処分していこう

みはが来所にて 乱歩の三角館の恐怖/ナンシー関の3番/筒井のミラーマンの時間を進呈。

来る前に急いで筒井の表題作を抜いた4作を読む。
さすがジュブナイルだ青臭いことこの上ないが 久々に読むと面白いのなー。
SFって子供の頃から『空想科学小説』って認識でいて オトナになるに従って
いつのまにか読まなくなったのは 何ら科学的ではない夢物語とシビアに認識する
ようになってしまったからだと思う。ウルトラマンも『空想科学シリーズ』だったっけw
当時からグーグルでもあれば もう少し理に適った内容になったかもしれないが
それはそれで夢のないつまらない文学になっていたのかもしれないね。
それだけ昔は嘘でも通った筋立てが 今や最低限の知識が邪魔をするのだろう。
手放した以上 二度と読むことはないと思われるのであらすじを記しておく。

・暗いピンクの未来
画家志望の高校生が実験事故から未来の自分に遭遇する話。
子供時代の夢と現実の相違(画家→デザイナー 野球選手→SF作家)コンピューター社会への警鐘。
そして主人公は現実社会に戻るでもなく未来に留まり何不自由ない生活へ(短編ゆえか)

・デラックス狂詩曲
女子高生がテレビの形の複製商品自販機なるものから好きな芸能人を復元したり
洋服を出して商売にして成功する話。
そのうち未来から「それ間違って現代に送り込んだテレビ〜返して〜」とやってきて
利用料払えと16億5千万グラン請求される。オタオタしつつ現代に換算すると132円50銭で
ゲラゲラという話。

・超能力・ア・ゴーゴー
もてない勉強だけの高校生が同級生をモノにしたくてw 脳外科医の父親に
脳味噌改造手術を施され 凄い才能を持つミュージさんとなり国民的英雄に。
音楽好きでオシャレを要望されていたのに 極めてみると女の子に振られる。
カコイイのは ある意味で形骸化されたような至って一般的な人間であることだと。
尊敬もされない替りにバカにもされない みんなと同じようにする人だと。
それが一番難しいことで むしろ尊敬される人はカコワルイだそうだ。

現代は天才や英雄の時代ではなく仲間意識・組織の時代で そういった天才が
あった方がいいけれどいなくても困らない時代なのだと。

・白いペン 赤いボタン
未来人からパクった未来を予知できる白い万年筆で富を肥やす高校生。
でも乱交パーティとかは意地でもしないのw 未来人をやっつけてペンは返さず
瞬間移動できるボタンまでパクってケセラセラな話。

筒井らしいかな。昭和51年頃の話。