むづかしいなとおもうこと2

抗がん剤を投与するには本人に「告知をしなくてはならない」
昨今の個人情報保護法やらに関連する 色々ややこしいことがあるからだ。
本人の意思と相反したことはできないということだ。ここがコンフリクトなんだな。

本人はボケの合間に たま〜に自分がボケてるのを認識していることがある。
適切かどうかはまた別次元だが 判断ができない以上は私が名代となるので決定権は
私と同意を得る。医師との折衝においてトラブルになるのはこれも本意ではなく
本人に同意書でも書けと言えば書くが もう既に文書に名前を書くだけでも億劫で
チト可哀想で 医師に相談するとそこまでは必要ないとのこと。

転院の件はハショルが円満に済んだ。そして今の(元からの)病院だ。
本人告知推奨の医師のため 検査入院した病院に廻す時点で既に癌だくらいのことを
言っている。おかげで親二人の意識改革と親戚近所対策でどれほど困ったことかと
正直言えば恨んでいる部分もある。これは仕方のない部分があるからなのだが。

医師としては本人の人柄も日常も知っているわけでもないし 所謂コンプライアンスとして
患者に言っているのだろうとは判るが それもなぁと。
チト無責任すぎねーか?とか思うわけで。
本人に「あんた癌だよ年内に死ぬよ」と投げっぱなされてもなぁ。。。
なのでそこだけは運良くか私が止めたわけである。
ただでさえ肉体が滅んで治療やら付加価値が付くというのに加えて 鬱にでも
なられたらシマツにおえないのはバカでも判るんじゃないか?しかも医者がさ。

抑鬱状態」と言われる 鬱病ではない状態でもいまどきの医者は大袈裟に言うのに
ボケの合間に真性鬱に加え老年性鬱なんぞが出た日にゃ目も当てられん。
判断能力が希薄な人間に告知してイイことなんか何もないじゃないかと思うわけですよ。

そして今回の入院希望でも 症状が(処置が必要との前提)なければダメだし
本人が希望しないのもダメだし(これは無論ダメ本人がイヤがっているから)
本人が希望したとしてもそれは治療的入院ではなくて社会的入院であると。
解りますよそれは。でもつまりは老人病院に突っ込めと暗黙に言ってるんだな。

老い先短いので好きにさせてやりたい気持ちもあるが実際面もある。
現実に病名も確定してる。そして本人の意思は数分のセッションでは表象できん。
ボケ気味の年寄りと言えど成人だからと このへんを私の責任において確定させるのも
むづかしい世の中なのね。