さすらいの狼を遂に見始めた〜完結へ

日常が忙しくて見る暇がなかったが 毎日6時の破れ奉行と共に晩酌を開始
全話録画済の狼もやっとガツガツ見出して まったくもって萬屋錦之介の毎日。
改めて錦兄好きだなぁと楽しくて仕方がない。


さて本作。1話目を見た途端あれれ?と。
毎回オープニングのスタッフロールの後 しばかれた錦兄扮するところの
十文字の竜が 敵役の今井健二さん扮する加納紀三郎に十字の焼きごてを
押し付けられる描写から始まる。
その後矢島正明さんのナレーションがかぶってくる。


胸に焼印のあるこの男 十文字の竜はかって勤王討幕の理想に燃える武士
速水竜之進であった。が、ある晩ふとしたことから御用金を奪った裏切り者
として幕府から追われ、また父親殺しの犯人として恩師・冬木郷右衛門からも
追われる身となってしまった。
こうして彼はすべての理想と、武士としての名誉を捨て、頼るべき何ものもない
一介の無宿人として生きようと決めた。
ただこの男が執念を燃やして追い続けるのは、この事件の首謀者加納紀三郎であり 事の真相である。
十文字の竜 この男は自分の心に刻まれた傷を押し隠し、今日という日をひたすらに生きようとしながら、さすらいの旅を続けていく。


。。。なんだろうこの既視感は。。。これは矢島正明さん効果だ。。。


リチャード・キンブル 職業医師。
正しかるべき正義も時として盲しいることがある。
彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され 護送の途中 列車事故に遭って辛くも脱走した。
孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に耐えながら、犯行現場から走り去った片腕の男を捜し求める。
彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら 現在を、今夜を、
そして明日を生きるために。


この作品は72年 たぶんデビッドジャンセンの逃亡者まだやっていたか終わって
間もない頃ではなかろうか。生島治郎の原作あるけど絶対パクり企画だねこりゃ
イイ意味で(テヘ
再放送の逃亡者も全部録画したがVHSにて泣く泣く処分してしまったなぁ(苦


状況も似ている。腕はあるが片腕の男が今井さんの加納 ジェラードが若林豪
片腕の男と違って加納はそれはそれは竜を貶めるような罠ばかり毎度仕掛けて
すんでのところで逃げられるのは一緒。若林豪に追われたり対戦したりするから
余計加納に逃げられる。もう毎回イライラする。


ただやはり昔の男 余計なことも弁解も一切しない。合理的なアメリカとは違う。
リチャードは「実は僕は無実なんだ」くらいは言ってたんじゃなかったかな。
今の人はハリソンとトミーリーの逃亡者を考えるんだろうけど違うのだよねー。
ちょっと暗い雰囲気は昔と同じ。豪が色男ってのがジェラードと違うくらいw


ほいで「さすらいの狼」というタイトルのせいか劇中曲がマカロニウエスタン調
だったり ちょっとロック調なのもイカすw 確かナベタケさん製だと思うが
それにしちゃ明るさがないのよね。でも耳に残る口笛とか流石だなーと。


破れ奉行もそうだけど 錦兄は大人数での立ち回りが毎度のようにある。
野っ原ではなく林の中とか この殺陣はすごいなぁと毎度見応えがある。
惜しむらくは脚本が弱い。もっと膨らむ内容なのに尻つぼみなこと多々。
鮎川いずみの許婚が追ってきたのとか 豪が死んだと思ったらピンピンして
次の回に出てきたりとか もっと話引っ張ってよと思った。


先に「破れ」を見ていたので 今回のメンツも豪にジェリー藤尾と丸かぶり。
ジェリーは好きでも嫌いでもなかったけど なんか二作とも騒々しくて嫌かな。
でも時々色気のあるイイ顔するんだよねジェリーさん。悪くないんだコレが。
懐かしいので軽く調べると今では千葉の老人ホームにいるらしい。存命なのね。


他は高品格さんがイイ芝居をされてたり 若き日の藤岡弘や千葉治郎とか
性格の悪さがハマリ役ながら二の線な顔作ってた長門裕之水野久美やら
最近見直した長門勇やら。私的には仲谷昇の刀砥ぎの回が好きだったかな。
今一ではあれとにかく先を見たくてたまらないヨロキンマジック。
面白いとは思うけど やはり明るく闊達な錦兄の方が好きだなぁ。


さて最終回までになんとか加納を捕まえて身の証を立てられると良いのだが。



全話やっと視了 もちろんネタバレしますが。。。
各回タイトルがあるのだが 最終回のタイトルは「最終回」
何か後味が悪いかなぁという感じ。
結局あんなに捕まえて引き立てたかった加納は殺しちゃうし 最後の最後で
共犯者にスポットを移すが今井健二さんほどのアクの強さもなく勿体無い。
老中に大友柳太郎をもってきたから黒幕に大物俳優を使えなかったと思われ。
今井さんは出来なかったけど 流石大友柳太郎 馬上演技してて眼福。


とりあえず恩師冬木が事の真相を知り 竜擁護を老中に言上し 自らロクを返上
自害することで一応は竜が藩に戻れるような下地は作ったが 竜は行方不明に。
息子を殺して嫁と孫を守ったけどロクを返すということは冬木家は取り潰しじゃ
ないけど孫の代まで存続しないということじゃないのかな。嫁実家帰るのかな。
しかも許婚が出たばかりなのに冬木嫁野川由美子が竜に入れあげてた設定。
御用金以外にそれもあって冬木息子が竜を陥れたとのこと。


ジェリー才六も竜に尽くした挙句殺されちゃうのが可哀想すぎるし。
つーか尽くし過ぎだよね。ハンパヤクザだし女好きだから衆道でもないだろし。
豪は豪で最後まで真相を知らないだろうに 十手を返したと唐突にアナウンス。
意地でタイマン勝負に挑んでくるのも無理くりだ。なんかこう脚本悪いな。


オトナとして見るから武士に戻らぬ美学のようなものも感じないことはないが
コドモの頃に見てたら肩透かしくらったような最後だなぁと思う。
無実の罪を晴らすため今迄応援してきたのにそりゃないよと。
一度藩にきちんと戻ってから出奔した方が後味良かったと思うんだけどなぁ。
バッドエンドは好きだけど いくらなんでも救いがない死屍累々だけなんだも。


睡眠時間を削ってw約3日ほど頑張って見たからいろんな意味で疲労感が強い。
まぁこれは再放送も殆どなかったらしいし全26話ブルーレイに焼いておきます。