何の因果で/高嶋政伸

くしくも今日は彼の45歳の誕生日である。
断続的に話題の離婚裁判で「証拠」として提出されたという著書。


離婚にはまったく関係がなく 海外旅行記として96年に出されているもの。
そうは言っても自分の来歴(日本中の人が知ってることだから今更)から
「ホテル」あたりの主演に絡んで 放送されていた中国でも歓待を受けたとか
そんな話もふんだんにある。


本来は役者になるつもりではなく映画を撮ったり脚本を書いて糧としたかったと
言うとおり たぶんこの本はゴーストの手によるものではないなと思う。
そしてそれなら一層「あぁこの人は脚本家としての才能はないな」と思わせる
なんとも言いがたい 無駄な形容詞があちこちに散りばめられている。
小奇麗な言葉を覚えた中学生が書くような文体なんだもの。


この本を証拠に提出したのは韓国人の嫁側だそうだが むしろそれって嫁側が
不利になるんじゃないだろうかと。


自分でも少し書いているけど優柔不断のええかっこしいなんだね彼は。
旅行自体が辺鄙な治安の悪いところに行ったところにしても大名旅行だし
ロッコでいくらか値切ったとは言え 2枚で10万の絨毯買って空輸してみたり
一緒に行った東京乾電池の神戸さんとガイドに払うチップでもめてみたり
(政伸はとにかくたくさん払いたい何事も)
中国のガイドのときもたくさん払いたいのに 逆に断られたりするシマツ。
もうホント自分は金ヅルでございますとカミングアウトしている本なのである。


中国旅行のときには何処に行って何を求めても「メイヨ」ないNOの意味で
なんでも断られては苦労をしていたけれど 彼に一番必要なのはそれだなと。
性善説は結構だけど酷すぎて そりゃやりくられても仕方があるまい。
NOと言えない日本人なのは自明なのでうまく離婚が認められると良いね。