どっち側につくかで視点が違うのは尤もだけど

長谷邦夫という名前を私はまったく知らなかった。
まぁ赤塚マンガを普通に読んでいる限り必要ないっちゃない名前だもの。
製作側に対する知識を腐れヲタのようにひけらかしたり自慢したいわけでもないし。

んでこの人の悪口だとか不二夫さんの悪口だとか適当に目に入ってきたんだが
一番の感想は「骨の髄までサラリーマンだなこの人」だった。
スタジオゼロなんかに参加した時点で適性は決まっていたんだろうによと。

この人が漫画家と称するのはゴーストライターとしてなのだろうかね。
実際に不二夫さんの名前で中身は殆どこの人の手なんてことも重々理解できるけど
そういう役割分担が大前提の日常だったわけでしょう。
赤塚不二夫がビッグネームになればなるほど「本当はオレが」と自己顕示欲の萌芽が
抑え切れなかったって人なんでしょうよ。
オレ仕事できるんだけど会社でクソみたいな上司に使われて自分の評価の割に
社内の評価は高くなくて憤慨して アフター5の居酒屋で愚痴言う会社員みたい。
会社員は会社があるからこそ働けるのに それがわからん阿呆と同じみたい。
なまじクリエイティブな仕事内容なもんだから勘違いと不満が大きくなったのだろうと。

勿論彼がいたからこそフジオプロは回っていたんだろうし彼自身がフジオプロだったのだろう。
その立場に居続けたのは他ならぬ彼であり 不満があるのなら何故独立しなかったのか。
もうね中小企業でありがちな話でしかないじゃんね。
そして他のダメおやじや釣りバカやつる姫なんかは独立し名も財もなしたわけで
その才能を生かした人たちが現実にいるのに 彼はなんなのと。
不二夫さんを今更アルコール依存症でどうのこうの言う方がアホくさくて。
そんなん誰でも知っとるわみたいな。

なんでも人間は適性と運があるもんだと思うけど この人は番頭としては最高の人
なのだろうけど 個人事業主となるには天賦の才はなかったんだと思う。
イイ歳して最後までナンバー2の立場がイヤだったんだろうかね。

っとよく知らないからこんなことを思ったけど 私が長谷という人と親交があったり
もっとよく知っているならば これまた全然違う感想があるんだろう彼の信者みたいに。
彼の立場から赤塚不二夫を糾弾しているのかもしれない。

長州力が永田裕二に「天下を取り損なった男」と普通じゃ言えないことを言ったが
同じく長谷という人は「赤塚不二夫になり損なった男」なのだろうな。
つーか葬儀くらい行くのが人の道・筋だろう。