海軍めしたき物語ふたたび

楽しく読んだ海軍めしたきであったが 続編になる「海軍めしたき総決算」の
存在を知り それも手に入れることができた。読む暇なかったがやっと読了。

作者の高橋孟さんというひとは自ら挿絵を描いており これがまた楽しい。
似てるかどうかは存じ上げるすべもないが 自身をイイ男に描かないというか
一般的に「主役顔」って丸顔になりそうなものなのに面長に描いている。

それはさておき 海軍従事時代の話を面白可笑しく綴ってくれているのだが
あらゆる行間から人間の本質や性などが読み取れることで私にマッチしたようだ。
50年経っても人間の本質な欲 というものは変わりはないのだということを
うわっつらの哲学などではなく 実体験から軽妙洒脱に語ってる。
そうは思えど やはり現世の人々の「欲」とは微妙にズレがあるのも感じる。
それだけモノが多く物質的な視野が広がったからなのであろう。
モノは増えても 増えたからこそ視野の狭い人々が増えてきたのだなぁとも感じる。

価値観は様々だなんて足の裏が痒くなりそうなことを言うつもりは毛頭ないが
先日どこかの女子高生が茶色い地毛を 生徒指導で黒に染めさせられたことで
精神的苦痛を受けたと訴訟を起こした親のインタビューをやっていた。

解らないではないが私の時代には考えられないことだし やれることでなかった。
世相に封建主義が根強くあったためだろう。先達の指示は絶対であった。
そういった厳しい学校に行ったのは。コトの前後はあれ対処はできなかった親。
ショックで傷ついた子?どうにもやるせない気持ちになった。
文字数の関係で結論までハショルが 自由と引き換えにモラルを明け渡した
のではないだろうかと。何をもってモラルかはまた別の話ではあるが。

高橋孟さんの「常識」の中での言葉がココロに染みる。
「言われてするのは馬鹿でもする」
言われてもしない出来ない人はウマシカ以下なのだろうか?
それ以前に至極当たり前のことだと思うが それが当たり前のことではないらしい。
当たり前のことを当たり前にやって自慢げに話すオトナコドモもいるしなぁ。

いつの時代も「今時の若いモンは」とは言われるのであろうが
昨今の中国の反日運動も 日本人の歴史の理解力や事実の抽出力も
指導要領を始めとして先達が示した通りに子供たちは育っていく。
日本ではこの差が約4年ごとに如実に出ていると私的には思うところが多い。
自分にとって得るものがあることを考えた方が 精神衛生上よさそうだ。